Editor : Yohei Aso (Acoustic Sound Organization)
最近めっきり寒くなってきましたね。
こんなに寒いと外に出ずに部屋を暖かくしてお家でゆっくりしたくなりますが、
今回はそんな冬の夜に一人で静かに聴けるソロギターをGuitarist Reports編集部がおすすめします!
優しい音色の作品や、ファンキーな楽曲、ニューエイジの作品など多岐に渡るジャンルの音楽をギター1本で表現するソロギターの世界。そんなシンプルで奥深い世界を感じられる、ソロギタリスト5選をご紹介します!
Earl Klug
Acoustic Sound Organizationの麻生です!僕のおすすめするソロギタリストはEarl Klughです。ナイロン弦の柔らかいタッチにジャズ要素のたっぷり入ったソロギターは夜寝る前のリスニングなどに最適です。
Earl Klughはフージョンギタリストとして有名ですが、数枚のソロギターのアルバムも出しており、僕はそちらのソロギタリストとしての側面をおすすめします!
Earl Klughは右手の親指でベース音を鳴らし、その他の指でメロディを弾くチェットアトキンス奏法をベースにしていますが、Earl Klughに独特なジャズ感あふれる美しいコードワークやサムピックを使わない方法で、柔らかい音色を作り出しています。ソロギターではテクニカルに走りがちな曲が多いですが、演奏の技術面も完璧で、尚かつ聴いていて心地の良いバランス感覚は中々ないですね。
今回そんなEarl Klughのソロギターの曲の中で、僕がおすすめするのはIf Only I Had a Brainです。オズの魔法使いでのカカシが”もし僕に頭があったなら”と歌うこの楽曲をEarl Klughはカカシのコミカルさそのままにアレンジしています!ぜひお聴きください!
Tuck Andress
Acousphere奥沢です!
僕のおすすめするソロギターの達人はもちろん僕の師匠「Tuck Andress」さんです!
それまでのクラシックギターの流れをくむ落ち着いた響きのソロギターではなく、FunkやJazzといったグルーヴの要素を取りいれたソロギターを、音楽の世界にはじめて持込んだのはTuck Andressさんなんですね。
CDをはじめて聞いた時は興奮して鳥肌が立ってしまいました!
気負いがなくしなやかなその演奏は優しくリスナーを包み込んでくれます。
僕の一押し曲はTuck Andressさんが長年ライブで必ず演奏する愛奏曲「哀愁のヨーロッパ」です!
ぜひTuck Andressさんの素晴らしい演奏、そしてTuck&Pattiさんの愛あふれるメッセージを感じ取ってほしいと思います!
アレックス・デ・グラッシ
Aerialのギタリスト池田常久です。
私がオススメするソロギタリストはアレックス・デ・グラッシです。
アレックス・デ・グラッシはウィンダムヒルレーベルの看板ソロギタリストの一人で、ウィリアム・アッカーマン達と共にニューエイジミュージックのブームをつくった立役者です。
彼のソロギターは派手さは無いものの叙情的で非常に美しいものとなっていて、私はこの季節の寒くなってきた夜に静かに聞きたくなります。
そんな彼の楽曲の中でオススメしたい曲は「ウェスタン」です。
実は今自分もライブで演奏したいと思いこの曲を練習しています。
自分が感じた感動を自分自身の演奏で皆さんに届けたいという思いです。
ソロギターは奥深いので、これからも勉強していきたいと思います。
Robert Johnson
Sonascribe林本です!
僕のお薦めするギタリストは伝説のブルーズマン、Robert Johnsonです!
1930年代に活躍したギタリストで、彼のスタイルはブルースギターの雛形となり後世のブルーズやロックのギタリストに多大な影響を与えました。
10代の時にSon Houseにギターの手ほどきを受け、その後一年間放浪の旅にでました。
当初、彼のギターの腕はかなりまずかったようですが、その一年間の放浪の間に驚異的なギターテクニックを身につけました。
それはとても同一人物とは思えないほどの上達ぶりだったようで、魂と引き換えに悪魔からギターの腕を授かったというクロスロード伝説が生まれました。
Robert Johnsonの歌にdevil,satanというワードはたびたび登場します。彼の歌からは悪魔からの恐怖から逃れたいという切望と安息への憧れが感じられるように思います。
彼は29テイクのレコーディングを残し曲を残し世を去りました。
この中かから今回はPreachin' Bluesという曲を紹介します!
この曲はオープンEチューニングとスライドバーで演奏されます。
12フレットまで滑るスライドバーと親指で刻まれるベース音による鋭いビートは同時代の他のギタリストにはないものです。
後のロックにつながる激しいリズムが生み出された曲だと思います。
悪魔に魂を売ったとされるクロスロードでRobert Johnsonはブルースとロックの交差とその果てを見渡していたのではないかと感じます。
いま僕達が聞いているロックという音楽の根源に思いを馳せて聞いてみて頂ければと思います!
ポール・サイモン
Sonascribe井上です!
僕のお勧めするソロギタリストはポール・サイモンです!
フォークデュオのサイモン&ガーファンクルとして、”サウンド・オブ・サイレンス”や”明日に架ける橋”など多くの作品を発表し活躍、ボーカルとしての印象が強いポール・サイモン。
その彼が弾くソロ・ギター”Anji”を紹介します。
オリジナルはイングランド出身のデイヴ・グレアムというギタリストです。
1962年に発表された”Anji”は、ポール・サイモンやスコットランドのミュージシャン、バート・ヤンシュなど
多くのギタリストがカバーし、ソロギター曲の金字塔となっております。
本曲は僕がソロギターを弾き始めたきっかけとなった曲で、
初めてポール・サイモンの”Anji”を聴いたときの驚きは忘れません。
1本のギターでベースラインとメロディを同時に弾く演奏を体験し、絶対に弾けるようになりたいと思いました。
今でもソロギターを勉強しており、この曲が源となり現在のギタースタイルにたどり着いたのだとおもいます。
ギター好きの皆さんに是非聴いて頂きたい楽曲であり、ソロギターの楽しさを体験するきっかけとなってほしいです!