2012/01/02

#Bartolini TXE ピックアップ使用レビュー

Editor : Shige Okusawa (Acousphere)

Acousphere奥沢です。
ギターから良い音を出したいというのはギタリスト共通のこだわりですよね。
アコースフィアのギターには「バルトリーニ社」のピックアップを採用しています。
今まで試した中では一番好きなトーンをしてますし、Tuck Andressさんの音色に一番ちかいと言えるピックアップですね。
その使用感をレビューしますので、ピックアップ選びの参考にしてください!



・Bartoliniの特性
アコースフィアでは奥沢のL-5CESにバルトリーニを採用しています。
モデルナンバーはTXE。
タック・アンドレス用に開発された1CTAシングルコイルピックアップをアクティブで動くようにしたものです。
ハムバッカーに見えますが実はシングルコイル。
なので自然な高音と低音が出る素直なピックアップといえると思います。

・音色
とてもフラットな音色です。
これは平坦という意味でなく、ギターからでる音を忠実に再現できているという意味ですね。
それには理由があります。
このピックアップの構造はタック・アンドレスのリクエストでコイルの巻数が全部同じになっているのです。
通常ピックアップを作るとこのコイルの巻く数を増やしたり減らしたりしてギターに合わせ音色を作るのですが、そういう制作者の意図は全く反映されないように巻数が同じになってるのです。
ギターの素の音がわかるセッティングですね。
だからこそ自由で、自分の好みに合った音色を作れるのですね。

・S/N比
通常のパッシブピックアップとは完全に別物と言えると思います。
アクティブピックアップの中でもずば抜けてノイズが少なく、ギターの実音が大きく出力されているのではないでしょうか。
なんとTXEは18Vオペレーションで稼動しています。
普通のアクティブピックアップは9V電池一個で動く9Vオペレーション。
TXEは9V電池2個で動いていて電圧も倍!
だからノイズが少なくなるんですね~。
この方式の効果はすごく出ていると思います。

・EMGとの対比
同じアクティブピックアップの雄「EMG」と比較してみますと、やはりBartoliniはフラットでクリアー。
輪郭がはっきり見えてくるサウンドです。
対してEMGは中音域が大きく出ていて、全体的にあたたかくい印象。
良い部分としては弦が混ざりあって聞こえるのでまとまりが良く聞こえます。
Bartoliniはクリアーなので弦の分離感がとてもいいですね。
デメリットとしては音域や再生域も広いのでタッチノイズなどちょっとした音も聞こえてきてしまうということでしょうか。
ミュートのテクニックが必須となるピックアップと言えるかもしれません。

・実際の使用感
繰り返しになりますが、とにかく音が良くてクリアーです。
分離感もよいのでひとりでいくつものパートを演奏したいソロギタリストの方などには喜んでもらえるピックアップだと思います。
でも繰り返しになりますがとにかく繊細なもので、弦から指が離れた音とか、ありとあらゆる音が聞こえて来てしまうので神経使います。
EMGのピックアップのほうがまとまり感ある音で鳴ってくれるので断然使いやすいと思います。
どんなものにも一長一短があるという事ですが、あとは好みとチャレンジ精神といった感じでしょうかね。
Tuck Andressさんのギターのようなセッティングにしたい人は1CTAよりもEMGアクティブの方が近道だと思うので、この記事が参考になると嬉しいです!



[関連記事]
Aerial使用ギターのピックアップEMG-ACSをリポート!
ヘッドホンベースミニアンプ「VOX Amplug Bass」レビュー
Apogeeのオーディオインターフェイス「Duet」レビュー!
その他ギターレッスン記事多数掲載中!

[Information]
アコースフィア・ギター教室を東京と札幌で開講中!
Acousphereによるギターレッスンサイト"Guitar&Guitar"