2011/07/08

ギターにウレタン材を詰めてミュートしてみる!

Editor : Yohei Aso (Acoustic Sound Organization)
ただいまアーチドトップギターをライブやレコーディングで使えるギターにするため改造中です。今回はギターの倍音を押さえ、コントロールされた音を出すためにボディにウレタン材をいれてミュートをしてみました。

アーチドトップやセミアコをミュートする方法はリー・リトナーのシグネチャーモデルLR10などに行われているように、ハウリング対策に効果的ですので是非試してみてください。



これまで僕のアーチドトップギターにはハウリング対策と、あまりにもボディが軽すぎて演奏時にギターが安定しないので安定させるための重しとしてボディの中に布やタオルなどをつめていたのですが、今回は音を胴鳴りを押さえ音をクリアにするためにウレタン材をつめてみました。

まずはウレタン材を長方形にカットしていきます。僕のギターのホールは大きい楕円なのでボディに詰めやすいのですが、Fホールのギターなどはかなり詰めにくいので、ウレタンの密度等は注意して選んでください。今回は軟質のウレタンを選びました。



今度はサイコロ状にカット。

上記のように、かなり大量のウレタン材のキューブが出来上がりました。

いよいよウレタンを詰めていきますが、その前にギター内部の配線を傷つけないようにマスキングしておきます。


どんどんウレタンをつめていきます。ギターの倍ほどあったウレタンがみるみる詰まっていきます。トップのアーチを押し上げるぐらいの密度でつめていきます。あまり詰めすぎるとトップ板を割ってしまう可能性もありますので気をつけてください。

音をチェックしながら、ウレタンの詰め具合を変えていきます。

ウレタンを詰めるとオクターブのピッチがずれてきますので、調整をし直します。

試行錯誤しながら、ついに完成!

倍音が鳴らなくなり、かなりすっきりした音になっています。他の音が鳴らないのでピッチもかなり安定しています。詰める以前はチューニングの際安定しなかったlowE弦も簡単にチューニングが合うようになりました。

ミュートするとアーチドトップの甘い音が無くなり生で鳴らないギターになると思ってたのですが、意外に生でも鳴ってくれます。しかし、やはり効果を発揮するのはアンプやPAに通した時です。まったくハウリングせず、音の1音1音がくっきり聞こえて、メロディや単音のラインが説得力のある音になってくれました。

倍音が鳴らないギターというと一般論では悪いギターのように思えますが、むしろ弾き手に取ってはコントロールし易く、ピックのアタックが弱くなる分サステインも伸びるので、歌うギターになったと思います。

ホールを塞ぐだけでもかなり効果があらわれますので、胴鳴りやハウリングに困っている方は試してみてください!