2011/09/05

指先でストロークするフィンガー・ストローク・テクニックを解説!

Editor : Shige Okusawa (Acousphere)

ピックを使わないフィンガーピッキングスタイルでの演奏時にもストローク的なサウンドが必要になる事があります。
その場合に役に立つのがフィンガーストロークというテクニックです。
これはその名の通り指を使ってストローク奏法するというもので、指をピックがわりに使って演奏するのが特徴です。
ピックに比べてマイルドな音がしますが、リズミカルな演奏をするにはこれでも十分です。
リズムの具体的なパターンはストローク奏法と同じなので、あとはいかに指を弦に当てるかがポイントになってきます。



基本的に5本の指どれでもストロークできますが、一般的には人差し指が使われます。
人差し指に親指を添えて弾くとピック弾きをするのと同じ感覚で弾く事ができます。
また中指も同じように使う事ができますが、人差し指と弦にあたる角度が違うため若干スラッピーな音がします。
ファンキーな西海岸系のカッティングに向いています。
また親指も使えます。
親指は太くてあたたかい音色になるので、スローなバラードなどに合わせると相性が良いと思います。
いずれの指もダウン・アップストローク両方に使えます。

このフィンガーストロークですが指先はピックとは違いやわらかいので、ピックストロークのような大きな音は出せません。
大きく出そうとして力をいれると指先を痛めてしまいますので、あくまでもフィンガーピッキングと同じ音量になるように優しいストロークを心がけてください。

■パターン1・人差し指
まずはじめは人差し指をつかったフィンガーストロークをマスターしましょう。
写真のように人差し指を弦にむかってまっすぐのばし、それを支えるように親指を添えてください。
ちょうど指先がピックになるような感覚です。
あとは手首を柔らかくつかって、ピックでのストロークと同じ感覚で弾いてあげてください。
課題のコード進行はKey of Eで16ビートのものを用意しました。
この人差し指をつかったフィンガーストロークが一番ピックで弾いた音に近い音になります。
指先の爪を弦にあてることで、軽くてシャープなサウンドを再現することができるのです。
慣れてくるとほぼピックと変わらない音色を出す事も可能なので、必ずマスターしてほしいと思います。


■パターン2・親指&人差し指
親指と人差し指を使ったパターンは柔らかく優しいストロークサウンドを作り出す事ができます。
ダウンストロークを親指で、アップストロークを人差し指で行います。
どちらも弦に爪が当たることがなく、指先の皮膚の柔らかい部分のみが弦にヒットします。
そのため柔らかくあたたかいサウンドになるので、バラードやワルツなどゆったりとした楽曲のストローク、またはジャズのように太いコードサウンドが必要なジャンルで使われます。
反対にクリーンで切れのあるサウンドには不向きといえるので、ファンクやロックなどのグルーヴで演奏しなくてはならない場合はピックで演奏する事をおすすめします。
親指と人差し指は少し大きめに開いて、それ以外の指は弦にあたらないように外側に持ち上げます。あまり手首を回転させないで平行に手を移動させるようにしながら演奏すると上手に弾けると思います。
課題のコード進行はKey of Gでフォーク的サウンドのものにしました。
ゆったりとしたテンポで弾いて、ふわりとした音色でのストロークになるように繰り返しチャレンジしてみてください。


■パターン3・中指
R&B系やアメリカ西海岸系グルーヴのストロークやカッティングサウンドが必要なときにおすすめなのが中指によるフィンガーストロークです。
写真を見てもらうとわかると思うのですが、中指を弦にヒットさせるにはこのように手の内側を上に向けなくてはなりません。
この角度で中指を弦にあててストロークすると指が弦にほどよくひっかかり、ファンキーでタイトなサウンドになるのです。
この中指のパターンでは前述した親指&人差し指のパターンと逆に手首の回転をつかってストロークします。
すばやく軽く回転させる事でカッティングなどの早いリズムにも対応できます。
ダウンストロークのときは中指の爪を弦に当てます。
アップストロークでは指先の皮膚を使って弦を弾きます。
ダウンとアップで音色が激しく変化しますが、それも含めてファンキーなサウンドとタイトなグルーヴを作る事ができます。



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